
FXビギナーのmatsuです。
口座開設をする前に、国内FXと海外FXの違いについて知らないことばかりだったので調べながら比較して、メリットとデメリットを書いてみました!
国内FXと海外FXの主な違い
ゼロカットシステム
FXでは急な相場変動により、強制ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになってしまう場合があります。
ゼロカットシステムは、そんな不測の事態で発生した証拠金以上のマイナス分を補填する制度です。
要するに借金をゼロにするサービスです。
ゼロカットシステムは海外特有のサービスで、日本では金融商品取引法によって損失の補填を禁止されている為、ゼロカットシステムを導入できません。
ゼロカットシステムのメリット
- トレーダーが追証(おいしょう)請求される可能性が限りなく0に近い(ブローカー次第)
※2015年スイスフランショック時にゼロカットシステムを採用している一部のブローカーが追証を請求したとの記事を見つけたので限りなく低いとしています。
ゼロカットシステムのデメリット
- ブローカーが破綻した場合、追証を請求される場合がある
- 日本のブローカーでは採用されない

スイスフランショックが発生した時に日本のブローカーを使用していたトレーダーで借金を背負った人がいるみたいです。
海外では破綻したブローカーもあったみたいで、ゼロカットを導入しているのに追証請求されたとの記事も…
レバレッジ
レバレッジとは、取引額を自己資金以上に引き上げて取引できる仕組みです。直訳すると『てこの原理』です。
日本では金融庁が定めた最大25倍までとなっています。最大10倍への引き下げが話題になっていましたが、市場関係者の反対が多く2018年に見送られました。
海外では最大3000倍というFXブローカーもあるが、最大500倍程度のブローカーが多い印象です。
レバレッジのメリット
- 少額の投資金でも取引が可能
- 利益が大きくなる
レバレッジのデメリット
- 利益と同様に損失も大きくなる

レバレッジは諸刃の剣か…
レバレッジの倍率が高ければ良いという事でもなさそうだし…
ゼロカットシステムと合わせて、自分にあった倍率を選ぶ必要がありそうだな。
取引方式

インターバンク市場とは、『銀行間取引市場』とも呼ばれ世界の金融機関(銀行・証券会社・政府など)が日々の営業で生じる外国為替の持高や資金の過不足を調整する為、相互に外国為替の取引を行っている。
市場と言っても取引する場所が存在するのではなく、ネットワークで繋がっている。
DD(OTC)方式
日本で多くのFXブローカーが『DD方式(ディーリングデスク)』という取引方式を使用しています。
DD方式とは投資家とインターバンク市場の間にFXブローカーのディーラーが取引に介入する方法です。
ディーラーはトレーダーが勝ちそうな注文は市場に流し、負けそうな注文は市場に流さずに呑み行為を行います。
トレーダーの注文を呑んだ場合、ブローカーはトレーダーの注文が外れる事を望みます。なぜならそれが利益になるからです。ここでトレーダーとブローカーの利益が相反します。
DD方式では呑み行為でも利益を上げれる為、スプレッドを狭くできます。
DD方式のメリット
- スプレッドが狭い
DD方式のデメリット
- トレーダーとブローカーの利益が相反する為、トレーダーに不利な行為が行われる可能性があるらしい
NDD方式
ほとんどの海外FXブローカーが『NDD方式』という取引方式を使用しています。
NDD方式とは投資家とインターバンク市場の間にディーラーが取引に介入しない方法です。
利益はスプレッドや取引手数料になる。
NDD方式を採用しているブローカーはトレーダーの取引量が多いほど利益が上がる。
NDD方式のメリット
- 直接インターバンクに注文を出しているので、トレードに不利な行為がされない
- スキャルピングやEA(自動売買)の制限がない
NDD方式のデメリット
- スプレッドが広い

これだけ見ると透明性があるNDD方式が良さそうだけど…
一概にDD方式はダメだとは思えないんだよな~
まだ、わからないが状況によって使い分けをした方が良さそうだな!
金融ライセンス
海外所在業者が日本の居住者のために勧誘を行うためには、日本の金融商品取引業の登録が必要ですが、多くの海外FXブローカーはあえて登録をしていません。その理由としては日本の金融庁に登録をするとレバレッジが最大25倍に制限されゼロカット制限がなどで海外FXの強みを生かせないからです。それゆえ金融庁から警告を受けているブローカーが多数あります。これまでも金融庁から警告を日本から撤退したブローカーもあります。
どこのブローカーが警告を受けているのかは金融庁のHPから確認できます。

ん~
海外FXブローカーって日本の金融庁から警告を受けてるんだ…
大丈夫なのかな…調べてみよう!
海外FXは危険?
ここでほとんどの人が不安に思う事が、『日本の金融庁に無登録ブローカー』=『危険なブローカー』か?です。海外FXブローカーは海外を拠点としている為、海外の金融ライセンスを取得していますので、日本の金融庁の登録を受けていないからといって『危険』とはならないのです。あくまで日本の金融ライセンスを取得しないと『日本の居住者のために勧誘をできない』という事です。
※警告を受けている海外ブローカーの多くはホームページを日本語で見れるようにしている事が勧誘しているとされているようです。
ただし、海外FXブローカーの中には、金融ライセンスを取得していないブローカーも存在しますし、取得している金融ライセンスや国の法律も違います。日本の金融庁が介入する事もできないので、自己責任となり危険が絶対に無いとは言い切れません!

日本だろうが海外だろうが、絶対安全なんてありえないしな~
次は、日本居住者が海外FXブローカーを使用することが違法なのか調べてみよう~
海外FXブローカーを使用する事は違法?
次に不安に思う事が、海外FXブローカーを使用する事は違法か?だと思いますが、先に結論を言うと、違法ではありません!金融庁のホームページにて以下のように記述されています。
外国証券業者に関する法律第3条により、外国証券業者が国内にある者を相手に証券取引行為を行う場合には、国内に支店等の営業拠点を設け、監督当局の登録を受けなければなりません。本規定に違反した場合は、同法第45条及び第50条の罰則が課せられます。
金融庁HP:外国金融サービス業者が我が国市場に参入するにあたって適用される法規制
⇒ 外国証券業者に関する法律 第3条
⇒ 外国証券業者に関する法律 第45条
⇒ 外国証券業者に関する法律 第50条
しかし、登録を受けない外国証券業者であっても、その取引相手が証券会社やその他金融機関等の場合、もしくは証券業者が「勧誘」及び「勧誘に類する行為」をすることなく国内居住者から注文を受ける場合は、国内居住者との取引をすることができます。
⇒ 外国証券業者に関する法律施行令 第2条
ここで言う「勧誘に類する行為」とは、「新聞、雑誌、テレビジョン及びラジオ並びにこれらに類するものによる有価証券に対する投資に関する広告、有価証券に対する投資に関する説明会の開催、口頭、文書又は電話その他の通信手段による有価証券に対する投資に関する情報提供」等が含まれます。
⇒ 外国証券業者に関する命令 第7条

なるほど!
違法ではないという事は海外FXブローカーも選択肢として考えて大丈夫ってことか!
顧客の資金管理
日本国内のFXブローカーは『信託保全』が義務化されていますが、海外FXブローカーは義務化されていません。
多くの海外FXブローカーは大きく分けて『信託保全』『分別管理』のどちらかで資産管理しています。
海外FXブローカーの中には少ないが任意で『信託保全』を導入しているブローカーもありますし、取得している金融ライセンスによっては、補償機構などが資産を補償してくれます。※注意あり
信託保全とは、信託銀行に信託する事で、万が一破綻や倒産した場合に投資家の資産を信託保全している範囲内で信託管理人を通じて返還するもので投資家の資産を守るための仕組みです。
分別管理とは、単に顧客資産と運営資金を別に管理しているだけで第三機関が管理しているわけではないので使い込みや持ち逃げされる可能性がある。
補償はすべての国の在住者に適用されるわけではない!という事です。
在住している国によっては適用されない国もあるようなので気を付ける必要があります。
国内FX
- 日本国内のブローカーは法律により『信託保全』が義務化されている
海外FX
- 海外ブローカーは『信託保全』の義務化がない
※数少ないが任意で導入しているブローカーもある

信託保全は万が一の保険であった方が良さそうだな!
取引ツール
日本国内のFXブローカーでは、その会社独自のオリジナル取引ツールを使用している事が多く、会社毎にツールの使い方が異なる。一方、海外FXブローカーの多くが『メタトレーダー(MT4/MT5)』という世界共通のツールを使用している為、インディケーターが豊富にある。最近では国内FXブローカーでも使用しているブローカーもある!
インディケーターとは、チャート分析をする為のテクニカル指標の事
メタトレーダーとは、2005年にロシアの『MetaQuotes Software』が開発した、電子取引プラットフォームでバージョンは『MT4』『MT5』がある。一番普及しているのは『MT4』である。

ブローカー毎に取引ツールが違うのは覚えるのが面倒そうだな…
ツールは使用している人が多い『MT4』が魅力的だな!
1ロットの通貨量
国内FXブローカーと海外FXブローカーでは1ロットの通貨量が違いますので、国内FXから海外FXに乗り換えをする方は注意が必要です。尚、海外FX口座にはマイクロロット口座があるブローカーもあります。
国内FXブローカー | スタンダードロット | 1ロット/1万通貨 |
海外FXブローカー | マイクロロット | 1ロット/1,000通貨 |
スタンダードロット | 1ロット/10万通貨 |

いきなり海外口座を作った自分は全く気にしなかったけど、国内ブローカーから乗り換えた人は1ロット取引したはずなのに損益計算が合わないとかなるのかな…
取引できる国
日本国内のFXブローカーは国内居住者向けの為、海外在住者の口座開設ができません。海外FXブローカーも同様で在住している国によって口座開設ができない国があります。
FXブローカーを選ぶ際は、自分が在住している国で口座開設ができるのかが重要です。

日本国内のブローカーは日本在住者のみなのか…
どこの国でもできると思ってた…
これも法律の問題だろうな…
税金
国内・海外FXで所得を得た場合は税金を納める必要があります。
『所得 = 利益 – 損失 – 経費』です。
日本居住者の納税について
確定申告が必要な基準
会社から給与を取得してしているサラリーマンやアルバイトをしている人は『給与取得者』で年間20万円以上所得がある場合、自営業や専業主婦で給料を貰っていない人は『非給与取得者』で年間38万円以上所得がある場合は、確定申告の必要があります。
納税義務基準 | |
給与取得者 | 年間所得が20万円以上 |
非給与取得者 | 年間所得が38万円以上 |
国内FXと海外FXの税制度の違い
国内FXと海外FXでは『税制度』・『税率』・『損益の繰越』が違います。
税制度が違うため『国内FX』と『海外FX』は損益相殺ができないので注意が必要です。
国内FX | 海外FX | |
税制度 | 申告分離課税 | 総合課税 |
税率 | 一律20%(所得税15%+住民税5%) 2037年までは復興特別所得税が加算される為、20.315% | 累進課税(7段階) |
所得区分 | 雑所得 | 雑所得 |
損失繰越 | 3年間繰越可能 | 不可能 |
海外FXは総合課税の雑所得
国内FXは所得が増えても税率は一律20%ですが、海外FXは『累進課税』となり所得が増えれば増える程、税率が高くなる仕組みです。ただ、海外FXは同じカテゴリーに分類されているビジネスと損益相殺が可能になります。
- アフィリエイト
- バイナリーオプション取引
- ネット転売など
累進課税 | ||
課税される所得金額 (平成27年分以降) | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 15%(所得税5%+住民税10%) | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 20%(所得税10%+住民税10%) | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 30%(所得税20%+住民税10%) | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 33%(所得税23%+住民税10%) | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 43%(所得税33%+住民税10%) | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 50%(所得税40%+住民税10%) | 2,796,000円 |
4,000万円超え | 55%(所得税45%+住民税10%) | 4,796,000円 |

海外FXは累進課税だから給与との合算で計算して税率が決まるのか…
控除額も考慮すると年間430万円までなら累進課税の方が支払額は少ないみたいだけど…一律20%は魅力的だよな~
とはいえ、税率を考える前に所得を増やす事を考えよっと!
国内FXと海外FXを両方やっている人は、税制度が違うため損益相殺が出来ない為、注意が必要です。
非居住者の納税について
租税条約によって国によって異なるが、日本国内のFXを使用していた場合は日本に申告が必要となりそうです。
まとめ
国内FX・海外FXのメリットとデメリット
国内FX | 海外FX | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|

可能な限り自分が疑問に思った事を調べて比較しました!
私は、少額で投資を開始して大きな利益を生む可能性がある『海外FX』で口座開設したいと思います!ただ、国内FXのメリットや海外FXのデメリットも無視できないので『海外FX』で『信託保全』があり尚且つ『スプレッドが可能な限り狭い』ブローカーを探してみます!そして国内のレバレッジでも十分な利益を上げる事ができる程度の資金が用意できたら『国内FX』を再度検討してみようと思います!